英語学習継続のコツ

日本語と別の言語を同じように使う家庭環境で育った場合を別にすれば、基本的に外国語を習得するためにはものすごく大量のエネルギーを注ぐことと、やり遂げようという強い意志が求められることには誰も異論を挟むことはないでしょう。三日坊主とか三か月坊主、三年坊主にもならずただひたすら継続する必要があります。少しでも楽に継続出来たら…と誰もが思うことでしょうし、世の中ではいろいろな方法が紹介されています。

個人的には、ちょっと厳し過ぎるかもしれませんが、理想はその外国語を使えるかどうかで自分の生死が分かれるくらいの切羽詰まったところまで追い込まれる状況に身を置くことだと思っています。

学校の授業でいきなり当てられ予習不足で答えられず恥ずかしい思いをする、というのはまだまだ切羽詰まった状況とは言えません。英語の成績が悪くても何十年か経過すれば、「あの時は本当に出来なかったなあ」と思うくらいで逆に懐かしく思うこともあるかもしれません。ですが、英語を習得する動機に仕事が絡んでくると状況はもっと複雑で自分一人が責任を被ればいいというわけにはいかない場合も多々あるのではないでしょうか。

個人的な経験談を繰り返すようで恐縮ですが、かつて経済産業省(METI)のプロジェクトを受注した際には、METIの担当者と直属の上司(なぜかレポートラインがニュージーランド人とイギリス人の上司の二人でした)、さらには分析担当のニューヨークオフィスのチームとのコミュニケーションもあり、こちらの事情や解決方法について英語で伝えるのに毎日必死でした。

これで上手くプロジェクトを進められないとMETIの会社に対する評価も下がることにもなりかねず、私個人の社内評価も然ることながら東京-ニューヨークのオフィス間の関係もぎくしゃくすることにもなりかねません。私のバックアップもいないので毎朝胃が痛くなりながら出社し、半ば身体をこわしつつ日々のコミュニケーションに苦労していたことを覚えています。

その後転職し、新しい職場でも大きな調査プロジェクトを任されたのですが、こちらはアメリカにいる社内クライアントと東京オフィスの私の上司とさらに上のマネジメント、加えて外注先のサプライヤーとのコミュニケーションが大変でした。中でも難関はアメリカのクライアントとのメールや電話のやり取りだったことは言うまでもありません。私の理解では、クライアント側の引き継ぎがうまく行かず、必要な調査設計の情報がこちらに伝わっていなかったことと、アンケートが何種類もあって複雑な分岐(問1で1を選んだ場合、問2は飛ばして問3へ進むとか、問2で1、2、3を選ばなかった場合は問10へ飛ぶなどの質問の進め方のことです)が多かったことも重なり、結果的にプログラミングもスムーズにはいかずあがってきたデータも20%くらいが使い物にならなかった、という因果関係でした。ですが、そこはアメリカのクライアントです。

あくまでもこちらにすべて非があることを主張するので、こちらも「絶対負けない!」と毎日返信には細心の注意を払っていました。調査が終了し請求書を送る段階でも隙を見せたら支払い(かなりの金額になっていました)が滞ることになり、会社の収益にも影響するので最後まで気は抜けなかったように記憶しています。

非まじめっ子

上記いずれのジョブに共通するのは、英語によるコミュニケーションが生死を分けるようなタフな状況に私を追い込んだこと。ここで味わったハラハラドキドキ感と比べれば、学校での英語の授業なんてまだ「英語学習ごっこ」に過ぎなかったと後で気づきました。英語学習の継続をする/しないの選択肢はまったくないばかりか、そこで英語を使うことを拒否すればその先には任された仕事に成功はあり得ないわけですから。

このような経験から、外国語を習得する絶好の環境とは、英語を使わなければ自分がもっと大変な窮地に追い込まれるというかなりきわどい状況なのだと悟ったのです。

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